溝口梓里の日々精進

他者のプライバシー保護を重視するので、激動の日記にはなりません。個人的信念の吐露と、公開型の書籍・講演・試験への感想とが、主な内容。

読書

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安部ねり著『安部公房伝』(2011 新潮社)は、減点対象も多いが、加点部分だけでも存在意義のある著作であった。

安部公房伝 作者:安部 ねり 新潮社 Amazon 安部公房の娘である安部ねり氏の『安部公房伝』(2011 新潮社)を読んだ。 率直に言って、文句をつけたい部分が多かった。 第一に、文豪の娘とは思えない程、文章が下手。例えば、安部公房の表記すら「父」だったり…

八百富神社に参拝しました。

第1 八百富神社へ 愛知に来て以来、仕事・研修・資格・入通院で忙しく、ほとんど観光というものができないでいましたが、このたび一念発起してかの有名な八百富神社に参拝に行きました。 神社のある有名な島が肉眼で見えてきました。本州の陸地から400メー…

木庭顕『誰のために法は生まれた』(2019 朝日出版社)読了。高尚さに感銘を受け、一抹の不安も感じた。

誰のために法は生まれた 作者:木庭顕 朝日出版社 Amazon 集団の力の前に個人が苦闘する内容の古典を観賞し、それを通じて、個人の側での対策としてのギリシア・ローマから続く「法」という試みを称揚する内容になっている。 古典を解読しながら法を語る書籍…

哲学者の萱野稔人の『死刑 その哲学的考察』(2017 筑摩書房)を読み、「部外者の意見」の取り入れ方にも思いを馳せた。

死刑 その哲学的考察 (ちくま新書) 作者:萱野 稔人 筑摩書房 Amazon 第1 総論 萱野稔人の『死刑 その哲学的考察』(2017 筑摩書房)を読んだ。入退院と術後の不調もあって時間がかかってしまったが、普段であれば一晩で読み切ってしまったであろう読みやす…

別冊判例タイムズ39号が、ようやく私物として我が家に来ました。

別冊判例タイムズ39号が出版されて以来、何とかして私物として我が家にお迎えしようと東奔西走していましたが、本日やっとその夢を果たせました。 さて次の問題は、ほんの数ヶ月前に買ってしまった38号の処遇です。購入資金は所詮はサンクコストだと理性では…

IMAGAWAさんに、壮行会兼読書会を開いてもらいました。

近日中に、多少は命懸けの覚悟が必要なことをやってきます。 その件でIMAGAWAさんに壮行会を開いてもらいました。 あと最近二人とも同じフィクションを読んでいるので、その読書会も兼ねていました。伏線が張りめぐらされすぎているとも言えるような、噛めば…

スウィフトの『奴婢訓』を読んだ。末弘厳太郎の『役人学三則』の源流のような気がした。

奴婢訓 他一篇 (岩波文庫 赤 209-2) 作者:スウィフト 岩波書店 Amazon 『ガリバー旅行記』で有名なスウィフトの『奴婢訓』を読んだ。 「かつて召使だった者が、後輩たちに召使としてうまくやっていくための心得を語った」という体裁の内容であるのだが、客観…

『統計学の図鑑』(技術評論社)は、説明が丁寧な上に視覚的に統計学を理解できる名著。

統計学の図鑑 (まなびのずかん) 作者:涌井 良幸,涌井 貞美 技術評論社 Amazon 絵柄などで如何にも「子供向け」の雰囲気を出しているためか、行きつけの図書館ではそういうコーナーに置かれていた。 しかし中身はかなり本格的に統計学を学べる名著であった。 …

瀧川政次郎著『日本法律史話』を読了。昨日の記事はこの影響もあって書いた。

日本法律史話 (講談社学術文庫 727) 作者:瀧川 政次郎 講談社 Amazon 第1 内容紹介 以前紹介した『法窓夜話』*1に強い影響を受けて書かれた、瀧川政次郎著『日本法律史話』を読了した。 話題を日本に絞っているので、世界中の法を縦横無尽に比較した『法窓…

西内啓『統計学が最強の学問である』(2013 ダイヤモンド社)は、やはり一時代を築いた名著だと感じた。

統計学が最強の学問である 作者:西内 啓 ダイヤモンド社 Amazon 『統計学が最強の学問である』は題名から俗書臭がただよってきたせいで、長らく敬遠していた。 やがて私は別ルートから統計学に興味を持ち、ある程度は関連資格も取得し、他人にも分かりやすく…

西野辰吉訳『大岡政談』(1989)を読んだ。

大岡政談 (教育社新書 原本現代訳 67) ニュートンプレス Amazon 江戸の民衆が地下出版で広めた作者不詳の大岡裁きの物語群の翻訳である。 一応「法学的な側面の強い教養」の一環として読んだ。 「こういう立派な裁判官がいればいい」という民衆の願望が投影…

異分野の人間が書いた本としては堅実すぎる、穂積重遠著『新訳論語』

新訳論語 (講談社学術文庫 549) 作者:穂積 重遠 講談社 Amazon 穂積重遠の母方の祖父である渋沢栄一の『論語講義』は、渋沢自身が論語から引き出した全く新しい読み方が多い。このため私が漢籍の研究者の端くれだった頃、先輩諸氏の間で非常に評判が悪かった…

『法律って意外とおもしろい 法律トリビア大集合』(2017 第一法規)は、第一法規のブランドに傷をつけかねないと思った。

法律って意外とおもしろい 法律トリビア大集合 作者:第一法規 法律トリビア研究会 第一法規株式会社 Amazon この『法律って意外とおもしろい 法律トリビア大集合』(2017 第一法規)は、編著者が「第一法規 法律トリビア研究会」となっている。巻末のプロフ…

穂積重遠著『明治大正昭和 判例百話』(2024 河出書房新社)を読破。第九十六話の記述にミスを発見。

明治大正昭和 判例百話 作者:穂積 重遠 河出書房新社 Amazon 世間では有斐閣の『憲法判例百選』の第8版が出版され洛陽の紙価が高まる昨今であるが、『法学の誕生』*1→『法窓夜話』*2と続いてきたマイブームである穂積一族リスペクトが止まらないので、私は毎…

『民事尋問技術 第4版』(2020 ぎょうせい)の最初の一読を終え、「やはり時代は統計学だったか!」との感想を持った。

民事尋問技術 第4版 作者:加藤新太郎 ぎょうせい Amazon 『民事尋問技術 第4版』(2020 ぎょうせい)は、今後も愛用して辞書的に使い潰していく予定であるが、まずは購入後の最初の一読を終えた。 一番の驚きは270ページの「このような計量経済分析(とくに…

『法窓夜話』と『続法窓夜話』を読み終えた。現代にたとえるならば「学者のネット活動」。

法窓夜話 (岩波文庫 青147-1) 作者:穂積 陳重 岩波書店 Amazon 続法窓夜話 (岩波文庫 青 147-2) 作者:穂積 陳重 岩波書店 Amazon 昔から多少は存在を意識していた穂積陳重の『法窓夜話』であるが、半月前に内田貴著『法学の誕生』を読んだことで*1穂積陳重熱…

久保利英明編著『久保利英明ロースクール講義』(2016 日経BP)を読み、やはり貴重な記録であると思った。

久保利英明ロースクール講義 君は〈正義〉のために闘えるか? 作者:久保利 英明 日経BP Amazon 昨年の五月に久保利英明先生の講義を聞いて感銘を受けたので*1、法曹としての覚悟は大いに強まった*2。 それ以来、久保利先生関連の情報を好んで摂取している。本…

『週刊東洋経済8/9-16号』の「知らないと損する相続」を読み、他士業から見た相続を学んだ。

6月7日の記事*1で書いた通り、かつて私は民法の教科書や判例集でそれなりに相続を学んできたつもりになり慢心していたところ、『2訂版 税理士が見つけた!本当は怖い相続の失敗事例64』(2021 東峰書房)を読んで「こんな落とし穴すら知らなかったのか」と頭…

内田貴『法学の誕生』(2018 筑摩書房)は間違いなく名著だし、私好みの内容であった。

法学の誕生 ――近代日本にとって「法」とは何であったか 作者:内田貴 筑摩書房 Amazon 明治維新後の日本は、西洋から法律・法学を継受しつつも一定の独自路線を維持しようとしていた。そんな時代に法学の継受の中心人物として活躍しつつも、後の時代からは表…

法律書としてはやや古いが、別途大いに学ぶところのあった、中山善太郎他著『離婚に関する法律相談』(2012 法学書院)

離婚に関する法律相談: かしこく別れるための知恵 (弁護士の知恵SERIES 10) 作者:中山 善太郎 法学書院 Amazon 数日前に図書館で大量に借りた離婚関連の書籍の一冊である。 家事事件手続法や国際的な子の奪取の民事上の側面に関する条約の実施に関する法律の…

宮崎晃他著『離婚協議書・婚姻契約条項例集』(2023 日本加除出版)は、良心の塊のような本だったので、購入した。

離婚協議書・婚姻契約条項例集―面会交流・養育費・財産分与・婚姻費用・年金分割、パートナーシップ契約等(サンプル書式ダウンロード特典付) 作者:髙井翔,竹下龍之介,中村啓乃,宮﨑晃,本村安宏 日本加除出版 Amazon 『離婚協議書・婚姻契約条項例集』(2023 …

名古屋でもジュンク堂とそのコラボカフェに入り浸り。

池袋生活でもジュンク堂とその店内カフェを楽しみまくっていましたが*1、名古屋でもジュンク堂とそのコラボカフェを楽しんでおります。 夕方にジュンク堂名古屋店で本を買い、その足で地下に行ってカンノンコーヒー名駅前店に籠り、さっそくその本の学習を開…

『2訂版 税理士が見つけた!本当は怖い相続の失敗事例64』(2021 東峰書房)は、私にとっては今までで一番勉強になった相続の書である。

〈2訂版〉税理士が見つけた!本当は怖い相続の失敗事例64 失敗から学ぶ実務講座シリーズ 作者:辻・本郷 税理士法人 東峰書房 Amazon 相続人や被相続人にとっての税理士から見て「失敗」と評価できる事例が、多々集められている書である。 官僚や弁護士や司法…

草野耕一著『数理法務のすすめ』(2016 有斐閣)、「人生初の刑事弁護の前に読んでおいて本当に良かった」と、冷や汗。

数理法務のすすめ 作者:草野耕一 有斐閣 Amazon 「法廷で高度な数学を使うことになったら、自然科学の場合と同じく、その道の専門家である数学者を尋問すればいい。だから法律家が数学を深く学ぶ必要はない」とか「法の使命は最大多数の最大幸福かもしれない…

松尾剛行著『生成AIの法律実務』(2025 弘文堂)をやっと読み終えました。

生成AIの法律実務 作者:松尾 剛行 弘文堂 Amazon メモを取りながら読んだため随分遅くなってしまいましたが、松尾剛行著『生成AIの法律実務』をやっと読み終えました。 途中で紹介された参考図書にも手を出したくなりましたが、必死でその欲望を抑えてとりあ…

碓井孝介『相続手続が簡単に 法定相続情報証明制度の利用の仕方』(2017 日本加除出版)は、題名で随分損をしている本だと思った。

相続手続が簡単に 法定相続情報証明制度の利用の仕方 作者:碓井 孝介 日本加除出版 Amazon 題名から受ける印象は、「相続の専門家だった者を対象にした、新制度のみを詳細に解説した専門書」であろう。 しかし内容は、相続の素人である一般人を対象にして、…

『一問一答 新しい相続法〔第2版〕』(2020 商事法務)は、借りて読んだら名著だったので買うことにした。

一問一答 新しい相続法〔第2版〕――平成30年民法等(相続法)改正、遺言書保管法の解説 作者:堂薗 幹一郎,野口 宣大 商事法務 Amazon 図書館で「相続法」で検索した中から、題名・出版年・出版社のみを頼りに選んで借りたのが、本書との出会いであった。 読んで…

『ストーリーから学ぶ交通事故の示談金を受け取るまで』(2016 中央経済社)

ストーリーから学ぶ交通事故の示談金を受け取るまで 作者:弁護士法人アディーレ法律事務所 中央経済社 Amazon 冒頭で主役の「ダミーくん」が交通事故に遭う。 その後に彼が何か損になる行動をしそうになる度に、「それはやらないほうがいい」と教えてもらえ…

岡住貞宏著『図解ポケット 令和6年義務化に対応! 相続登記手続きがよくわかる本』(2023 秀和システム)。不正確な部分に個人的な不満を抱くも、「迅速に基礎を理解できる」という価値は高いと感じた。

図解ポケット 令和6年義務化に対応! 相続登記手続きがよくわかる本 作者:岡住貞宏 秀和システム Amazon 基礎の基礎だけを語っているので、普段は相続および登記と縁のない人が大急ぎで最低限の知識を得る分には非常に良いと感じた。相続をめぐっては、大急…

弁護士法人アディーレ法律事務所著、岩沙好幸編『ブラック企業に倍返しだ!』(2014 ファミマ・ドット・コム)を読んだ。

ブラック企業に倍返しだ! 弁護士が教える正しい闘い方 (アディーレ法律事務所) 作者:弁護士法人アディーレ法律事務所,岩沙好幸 ファミマ・ドット・コム Amazon 第5章までは、基本的に「職場でこういう目に遭っていたら、それは実は違法なので、このように弁…